~守りの資産として分配金を狙う戦略~
最近、守りの資産として、米国債権の事を調べていたらJ-REIT(不動産投資信託)にも興味を持ちました。今J-REITの株価はじわじわと回復してきています。2024年にかけて金利上昇懸念で大きく下げた局面がありましたが、日銀の利上げペースが限定的と見られることから、再び投資家の関心が戻りつつあるようです。
とはいえ、今から参入して「上昇の波に乗れるのか」、それとも「すでに上がりきってしまったのか」、判断はなかなか難しいところです。
昨年末くらい?から入っていけば良かったなと今更ながら思っていますが、時すでに遅しです…。悔しい!
J-REITの見通し
- 金利動向が最大のカギ
REITは借入金で運営しているため、金利上昇は逆風に。一方で、アメリカが利下げ方向に傾きつつある今、日本の金利上昇圧力もやや落ち着く可能性があり、J-REITには追い風。 - 分配金利回りは依然として魅力的
平均利回りは4〜5%台。特に物流系やホテル系REITは、需要の底堅さやインバウンド回復期待から投資妙味あり。 - 中長期ではインカムゲイン投資向き
値動きの上下はあっても、分配金を再投資していくことで複利効果を享受できる。
強み・ポジティブ要因
・配当利回り/利回りスプレッドがまだ魅力ある水準にある
J-REIT予想配当利回り(時価総額加重平均)は約 5.10 % > 10年国債利回りは 1.31 %
・NAV倍率(時価/純資産価値)が1倍を下回る水準
市場価格が資産評価に対して割安に放置されている可能性あり
・物件運営側の賃料上昇圧力
インフレ環境下で不動産側が賃料改定を試みやすい局面もあり
リスク要因・逆風になりうる点
・金利上昇リスク
J-REIT は借入金利負担を持つ物件運営がつきものなので、金利上昇局面では利息支払いが重くなり、収益性を圧迫する可能性あり。
・日銀・金融政策の動き
日本国内の金利・金融政策の変化が大きな影響を与えうる点は無視できない。たとえば、日銀が緩和縮小に動いたりすればREITには逆風。
・需給・流動性リスク
大型資金が売りに転じると流動性が悪化しやすい。外国人投資家の売買動向なども影響力あり。特に利上げ懸念や安全資産志向が強まる局面では、REITからの資金流出が起こる可能性あり。
・空室率・賃料維持リスク
オフィスや商業施設、ホテルなどの業態別に空室リスク・賃料低下リスクあり。
・BOJ(日本銀行)のREIT買入れ政策縮小リスク
2025年9月、日銀がETF・REIT保有を売却する政策を開始する、というニュースがあり、これが進めば、REIT市場にとっては追い風というより逆風になりうるため、注意が必要。
チェックすべきポイント
1. 有利子負債比率(LTV、負債÷総資産)
全体平均が約42%ほどという観点もあるので、この水準が低ければ借入れ重圧が軽めと言える可能性あり。
2. 借入れの固定比率vs変動費率
変動金利負債が高いと金利上昇局面で負担が急増するリスクあり。利息支払い状況も確認。
3. NOI利回り/NOI収益性
本業の収益性を示す指標。
4. スポンサー、運営会社の信頼性
大手デベロッパー系などがバックにいるREITは安心感が出やすい
5. NAV倍率(時価÷純資産価値)
1倍未満なら割安と捉えられやすい。
セクター別で考える分散投資プラン(例)
銘柄 | セクター | 配分 | 想定利回り | 狙い |
GLP J-REIT (3281) | 物流 | 30% | 約4.8〜5.5% | 倉庫需要安定。eコマースの追い風。 |
日本プロロジスリート (3283) | 物流 | 20% | 約4.5〜5.0% | 世界最大級物流REIT。スポンサー力◎。 |
ジャパンホテルリート (8985) | ホテル | 15% | 約4.0〜4.5% | インバウンド回復期待。 |
日本ビルファンド (8951) | オフィス | 15% | 約3.5〜4.0% | 国内最大級。オフィス回復局面の恩恵。 |
東証REIT ETF (1345/1476) | ETF(分散) | 20% | 約4.5〜5.0% | 市場全体をカバーし個別リスク軽減。 |
このように組み合わせることで、平均利回りは 約4.3〜4.6% 程度を期待。
シナリオ別の見方
今後のストーリーがどうなるか分かりませんが、3つのシナリオ別に書いてみます。
シナリオ①:日銀が利上げ見送り → 長期金利安定(REIT上昇)
→ 株価+分配金でトータル年5〜6%が見込める。
シナリオ②:日銀が小幅利上げ継続(0.25〜0.5%)
→ 短期的に株価調整も、分配金収入で支えられる。長期投資なら買い場拡大。
シナリオ③:世界的景気後退で株価下落
→ REITも下がるが、物流・住宅系は底堅い。配当再投資の好機。
私の投資方針
正直、今の株価が「上昇途中」なのか「上がりきった後」なのかは分かりません。
しかし私の目的はキャピタルゲインではなく、約5%のインカムゲインを守りの資産として受け取ること。
そのためタイミングを一度に決め打ちせず、少しずつ分けて投資していこうと思います。分配金を再投資すれば、長期での複利効果も狙えるので、じっくり腰を据えて資産の土台を固めていくつもりです。
まとめ
- J-REITは金利に左右されやすいが、今は追い風寄り
- 分配金利回りは依然として魅力的(4〜5%台)
- 投資タイミングを一括で決めず、段階的に投資するのが安心
「守りの資産」としてのJ-REIT、これからも少しずつ積み上げていく予定です。
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